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深谷 有喜; 圓谷 志郎*; 境 誠司*; 望月 出海*; 兵頭 俊夫*; 社本 真一
no journal, ,
グラフェンの物性は、下地の基板との相互作用により変化する。最近、グラフェン・基板間に異種原子をインターカレートさせることにより、意図的にグラフェンの物性を変化させる試みがある。この時、構造変化も同時に起こることが予想される。本研究では、最表面近傍の構造変化に敏感な全反射高速陽電子回折(TRHEPD)法を用いて、グラフェン/Co(0001)への貴金属(Ag・Au)原子インターカレーションによる構造変化を調べた。グラフェン/Co(0001)上に、室温でAgまたはAu原子を5原子層分蒸着し、400Cでアニールしたところ、ロッキング曲線(回折強度の視射角依存性)の形状が、蒸着前のものから明瞭に変化した。この変化は、AgまたはAu原子がグラフェン直下にインターカレートしたことを示唆する。動力学的回折理論を用いた強度解析から、インターカレーションに伴い、グラフェンと下地の間隔が約1広くなることがわかった。したがって、貴金属原子のインターカレーションにより、グラフェンの結合状態が変化した。
金正 倫計; 神谷 潤一郎; 阿部 和彦*; 中村 止*
no journal, ,
J-PARC 3GeVシンクロトロン(RCS)で使用しているセラミックス製真空チャンバーは、アルミナセラミックス本体、その両端の純チタン製フランジ、及びその間の純チタン製の薄肉(約1mm程度)スリーブで構成されている。製作工程でアルミナセラミックスとチタンスリーブをろう付けする際に、チタンスリーブの前処理として、硝弗酸処理を行った。本件は、この硝弗酸処理がチタン材料にどのような影響を与えているかを明らかにし、予備品製作での処理方法の簡素化を目的とする。試料を分析した結果、硝弗酸処理により表面の荒れが大きくなることがSEMにより観察された。また、酸化層の深さ方向の分布をAESにより測定した結果、処理前では12.7nmであったものが、処理後6.0nmとなり、硝弗酸処理により純チタン材表面の酸化膜が低減されることが確認できた。今後は、処理方法の簡素化を検討する。
矢野 雅大; 鈴木 翔太; 魚住 雄輝; 朝岡 秀人
no journal, ,
Si(110)は工業、学術研究両面で利用価値が高く、その応用の際には表面の清浄化が求められる。Si表面の清浄化には複数の手法が存在するが、欠陥やステップバンチング等の形成が少ないとの利点から、Si(110)の清浄化には大気中での化学処理による不純物除去と表面保護層の形成を行い、真空中で保護層を加熱脱離させる手法が有効である。保護層には一般的に塩酸によって形成される酸化膜が用いられるが、Si(110)上における酸化膜脱離での微視的構造変化は研究報告が非常に少なく、特に化学処理で形成された酸化膜の脱離についての報告は他面方位でもほとんど存在しない。本研究ではSi(110)上に塩酸で作製した酸化膜の脱離過程での微視的構造変化を走査型トンネル顕微鏡(STM)を用いて計測した。講演では脱離の経過時間ごとの表面構造を示し、効率的に清浄かつ平坦な表面を形成する条件について述べる。
鈴木 翔太; 矢野 雅大; 魚住 雄輝; 朝岡 秀人; 山口 憲司*
no journal, ,
Si(110)表面162再構成構造の形成に深く関与する表面ストレス(表面エネルギー)の基板たわみ測定には、表面の広範囲で清浄、かつ表面ステップ構造が制御された理想表面が必要である。本研究では、Si(110)基板の表面化学処理により作製した水素終端層、及び酸化層の低温での通電加熱脱離により清浄表面を作製し、広範囲のSi(110) -162構造形成に最適な手法について検討した。LEED像の回折点の輝度を比較した結果、表面化学処理、及び脱離温度プロファイルの差より、酸化層脱離表面は水素終端層脱離表面よりも広範囲で162構造を形成していることが確認され、広範囲での162構造形成には酸化層の作製と加熱脱離のプロセスが最適であることが分かった。
神谷 潤一郎; 柳橋 亨; 金正 倫計; 山崎 良雄; 山本 風海; 吉本 政弘
no journal, ,
大強度陽子シンクロトロンにおいては入射ビームと周回ビームのマッチングをとるために、マルチターンH-入射方式をとることが多い。この方式においてはリニアックからのH-ビームの2つの電子は、シンクロトロン入射点に設置される薄膜を通過することでストリップされ、残った陽子がシンクロトロンを周回し、入射点のマッチングが得られる。J-PARC 3GeVシンクロトロンにおいても本入射方式が採用されている。入射点には約300 ug/cmのカーボンフォイルがあり、入射ビームのカーボンフォイルでのエネルギーロスによりフォイルは発熱し、放出ガスを発生する。この放出ガス特性を調べ、効果的な脱ガス条件を調査することはビーム入射部を超高真空に保ち、ビームと残留ガスによるビーム損失を低減するために重要である。フォイル発熱時の放出ガスは昇温脱離分析により測定した。実際に3GeVシンクロトロンで用いている数種のフォイルについて測定した。結果、水蒸気成分が比較的低い温度で急激に上昇しピークを持つことがわかった。このことは低温での脱ガスが可能であることを示唆している。発表では各種カーボンフォイルの昇温脱離分析結果及びそこから導かれる、実機フォイルの脱ガス処理の展望について述べる。
荻原 徳男; 引地 裕輔*; 神谷 潤一郎; 金正 倫計
no journal, ,
The flow rate of a rarefied gas through a long rectangular channel with a very small height (H) to width (W) ratio was experimentally investigated using N and Ar for the wide range of the Knudsen number, which is defined as a ratio of H to the mean free path. Here the dimensions of the channel are as follows: H=0.1 mm, W=50 mm, and the length L=100 mm. The conductance, which is proportional to the dimensionless flow rate, decreases from the value in free-molecular regime and reaches the Knudsen minimum at K1.2, as the inlet gas pressure increases. Then the experimental data are compared with the computational results [Phys. Rev. E, 91 (2015) 061001] based on a direct simulation Monte Carlo method. A good agreement is found between the measured and the computed flow rates. Finally change in the distribution function of the emitted molecules from the channel due to the influence of the intermolecular collisions is simply estimated by accounting the change in last flight length for all the emitted molecules.
牧野 隆正*; 津田 泰孝*; 塚田 千恵; 吉越 章隆; 岡田 美智雄*
no journal, ,
エチレン分子と金属表面との相互作用は脱水素化反応などの様々な触媒反応において非常に重要である。本研究では、エチレン分子の解離反応を理解するため、超音速分子線をCu(111)表面に照射し、照射後の表面を放射光XPSで調べた。並進エネルギー2eVの分子線を、表面温度300Kで照射したとき、ピーク強度が増大し、またピーク位置が高結合エネルギーにシフトしていることがわかった。吸着状態や反応の表面温度依存性に議論する予定である。